2020.0112
1/11のロスゼロカフェ。
今回のテーマは「食品ロスの勉強会」
15人以上の参加者があり、和やかなムードで
始まりました。
カナダからの特別ゲストがいたので
(ロスゼロブログ参照)
英語と日本語を交えた会となりました。
このお勉強会での内容を
具体的にご紹介していきます。
まずは
ロスゼロ代表 文美月より
日本のフードロスの現状、発生原因の説明の後、
私達ロスゼロが取り組んでいる食品ロスを減らす取り組み、
収益化について。
私達が大切にしていることは、作り手(メーカーや生産者)の
思いや商品・もったいない食べ物を少しでも
沢山の人に食べてもらう機会を作ること。
作り手が築いてきたブランドイメージを傷つけずに。
そのため、「安く売りさえすればいいんだ」と
売りさばくようなことはしていません。
むしろ作り手のブランド価値をあげたいと思っています。
もったいないものが発生したら、
「みんなでシェアリングしよう」と考える消費者が増えてきました。
だから、作り手は
(もったいないものを減らす努力はもちろんされていますが)、
もし発生したときは、それを隠すよりも、
消費者に、自分たちの思いを社会に送りつつ、最後まで
食べてもらう方向性をみていけばいいのではと
ロスゼロは考えています。
お客様にワクワクした気持ちで購入してもらい
そのワクワクの先には
食品ロス削減という社会課題解決があり、
お客様自身がロスゼロを通して
その課題解決の一部を担っていると実感していただくこと。
「ロスが減る、笑顔が増える」
これが私達の取り組みです。
参加いただいたみなさんは、ロスゼロのことを
よく知っていただいている方から
今回初めて知ったという方まで様々。
でも、食品ロスに取り組む方は
それが一朝一夕でなんとかなるような簡単な
課題ではないとよくわかってくださってます。
消費者一人ひとりの意識を変えることが、
まずは第一歩であると改めて認識し合うことができました。
続いて今回英語を交えた勉強会になったきっかけ。
カナダ人女性、アンジェリカ。
フランス語圏であるケベック州・モントリオール在住です。
彼女は4年前、文美月のもとで6ヶ月間インターン生活を送りました。
「カナダに戻ったら、何か自分でやりたい」と思っていた彼女は、
起業家精神をもつ文美月に、かなりインスパイアされたといいます。
(彼女は文美月の元で働き、家で一緒に暮らしました)
食に対して丁寧な日本の文化を知った彼女。
帰国後にカナダでの食事に対して、疑問を感じたそうです。
カナダではジャンクフードやファーストフード
ウーバーイーツなどを利用することが多い上に、
植物性タンパク質の摂取が少ない。
自炊をしない人が多くいるそう。
そして、食べ残しが多く廃棄する量も多い。
食材の使い方を知らない人が多く、
丁寧な食事をしていないことに気づきました。
体に優しい料理が豊富な日本に6カ月いたからこそ、
余計にそう思ったようです。
また、自給率の高い国であるのに、食品ロスの多い
実態があります。
カナダの食品ロスは1家庭あたり年間14万2000円分
日本は約6万円分の食品ロスを出しているといいますので
2倍以上。かなりの廃棄料であるとわかります。
(自給率が200%を超えるカナダからこそ、廃棄に関する
意識が低いかもしれません。)
そこで、彼女は調査を始めます。
スーパーに何軒も足を運び、どのくらいのフードロスが
出ているのか、それらの寄付を受けられるかについて
話をしたそうです。
そして仲間とともに
・食材のアレンジ方法
・自分の持っている食材に合わせて
工夫したレシピ
・動物性より、エコな植物性タンパク質を取るためのレシピ。
それらを教えるための料理教室を開くことで
美味しく健康的に食べることの大切さ、
効率や工夫をこらすことで棄てるものも減らせると、
人々に伝える活動をはじめました。
そうして地元モントリオールを拠点として立ち上がったのが、
料理教室をするためには、
・食材を提供してもらう
・開催する人を募る
・参加する人を募る
この3つが必要です。
食材はスーパーから規格外食材などの提供を受ける。
イベントを起こして参加者を募る。
運送料だけを払ってもらって料理教室を開く。
人が集まるミーティングに自分たちで作った料理を持ち込む。
などの活動をし、
イベントやミーティング参加者にレシピ等をフィードバックしています。
2018年から18回行ったイベントのうち、11回は満員。
のべ300人が参加しました。
また、合計400Kg以上の食品ロスを削減し、1万ドル以上のサポートを
受けることができました。
参加した300人だけではなく、その周囲の人達にも
彼女たちの活動は浸透し、想いが伝わっていることを実感していると
話していました。
また、スーパーから寄付をうける食品ロス予備軍食材の内訳ですが、
・賞味期限切れ商品
・オーダー差異の商品(発注ミス)
・規格外の生鮮品
・毎日10~20キロのフルーツ
・野菜・パスタ・パン・乳製品
などが多いとのことでした。
当日彼女はメープルシロップの缶を
カナダから持ってきてくれたのですが
中身は完全オーガニックのA級品だったそうですが
缶が少し凹んでしまい、規格外品になり
販売できなくなってしまいました。
これも日本と同じです。
中身に全く問題がなくても
傷のついた商品は売れません。
自分の食生活に疑問を持つことで、人を動かし
人に影響を与え、より良く生活しようと影響される人が増える。
彼女の活動はとても有意義なものですが、
最後にこう言っていました。
始めて一年。
まだまだビジネスの軌道に乗りきれていないと。
協力者、ビジネスパートナーも募っているそうです。
ビジネスモデルとして確立し、うまく持続できる活動になれば、
SDGsの掲げる社会にまた一つ近づくのではないかと思います。
ぜひ The Zero Waste Project のfacebookページをフォローしてください。
そして関心をもった方は、ぜひロスゼロまでご連絡をください。
~1/11「ロスゼロカフェ」レポートブログ~
食品ロス講座その2(エコプレッソ・ケニアの食品ロス・食卓の上のフィロソィー)
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